いじめがテーマの小説【ナイフ】をご紹介

2020年3月20日

 

 

私は今まで様々な小説を読んできましたが重松清作のナイフは本当に自信を持っておすすめできます

 

確か高校生の時に初めて読んでそれ以来小説にハマったきっかけとなった本です

 

「いじめ」という一見重いテーマですが読み終わった後はなぜか爽快感がありました

 

ナイフは5つの短編小説集

 

まずナイフは以下の5つの短編小説から成っています


 

ワニとハブとひょうたん池で

 

ナイフ

 

キャッチボール日和

 

エビスくん

 

ビタースィート・ホーム

 


 

ひとつひとつ全部秀作ですが特に一番好きなのは「エビスくん」です

 

 

久しぶりにまた読み返してみたんですが、やっぱり名作だなーと思いますね

 

いじめっ子といじめられっ子は本来いい関係ではありませんよね

 

だって自分をいじめるんですから勿論嫌いなはずです

 

ですがエビスくんではいじめっ子といじめられっ子の間に妙な心地良い関係が存在するんですよね。一種の共依存な状態とも言えるのでしょうか

 

 

これは小説だから可能という関係性ではなく現実でも十分起こりうる関係性なので重松清さんは本当に着眼点が鋭いなーと思います

 

上手く言葉に出来ないけど確かにあった!というものを上手くつまみ出した感じです

 

これは私の過去の話になりますが私は中学の時に友達にいじめられていた時期がありました
毎日死ねと言われて唾を吐かれていた時期もありました

 

これは私が中学1年生の時に学年で一番強い男の子M君と喧嘩をしたのが原因で起きたいじめでした

 

毎日お前誰?とM君に言われて頭が真っ白になり自分でも何を言っているかわからない状態になり本当に学校に行くのが嫌でした

 

M君以外にも私をうざいと嫌っている友達K君も毎日死ねと私に暴言を吐いていました

 

そんなある日死ねとK君に言われて咄嗟に「生きる」と私は言いました

 

その瞬間K君はフフッと笑って何やねんと私を蹴りましたがそれ以降暴言を言わなくなりました

 

そして中学2年生になりその一番強い子M君とK君と私で同じクラスになりなぜかまた喧嘩する前のように仲良くなりました

 

 

唾を吐かれて毎日死ねと言われていましたがいつか登下校を一緒にするような仲になっていたのです

 

 

 

勿論どうしようもない悪質ないじめっ子は存在しますが僕はエビスくんに出てくるいじめっ子といじめられっ子の間に存在する妙な心地いい関係に思わず共感してしまったんです

 

確かにM君が滅茶苦茶怖いと思ったことは数えきれないほどありましたがM君が嫌い、いなくなってほしいと心底思ったことは不思議とないんです

 

それはエビスくんにもあるようにいじめられっ子がいじめっ子に対して抱く一種の強さへの憧れのようなものがあったんだろうなと今になっては思います

 

 

今逢うとなれば価値観の違いで上手く話せないと思いますがなぜかM君とK君を思い出すときはいい思い出しか残ってないんですよね

 

人間の記憶は美化されると言いますが、正にこのことだとは思いますね

 

 

結局二人とも転校してしまいましたが辛くて一人でポツンといる時にM君が横に来て話かけてくれたりしたりして、今思えばあれだけ私に対して嫌がらせしていたけれどそこまで私の事を嫌ってはなかったんだろなーと思います

 

 

自分語りになってしまいましたが

 

それだけエビスくんは感情移入出来た作品でした

 

 

いじめというテーマは本来読者が読んで傷つくかもしれない重いテーマですが
私はなぜかナイフを読んで過去のいじめという記憶が少し癒されたような気持ちになりました

 

 

エビスくんはなんだかんだ5回以上は読んでいると思います。読んでいると止まらなくなってしまうので

 

重松さんの良い所がかなり出ている作品だと思いますので、気になる方はぜひ読んでみてください!

 

文庫版はこちら

 

kindle版はこちら↓