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クリエイティブな人の矛盾した二面性?クリエイティブな人に見られる特徴

2019年9月17日

最初に

 


クリエイティブな発想を持つ人の性格を一言で表すと、複合的である

 

彼らは両端にある異なる特徴を併せ持っているのだ

 

彼らは内面的に人間が持つほぼすべての特性を部分的に持っている

 

これは私たちが考える良い、悪いと考えるすべての潜在的な性格を持っているのである

 

しかし複合的な人格は中立や平均、真ん中を意味するわけではない

 

これはシーソーが真ん中に保たれたような状態を言うのではなく、あくまでも激しく揺れ動くシーソーを想像してもらうとわかりやすい、彼らに取っての内面は両極に激しく揺れ動く性質を持っているのである

 

発想力のある人は必ず両極に振り切る時、何の葛藤もなく、すべて同じ強度で二つの出来事を経験する。これをもう少しわかりやすく理解するために10個の二面性を紹介するとしよう

 

 

1.すごい活力を持っていてかつ静かな休息を必要とする

 

彼らは意欲旺盛で長時間没頭し働く

 

これは遺伝的に有利な身体条件を持っていることを意味するが、場合によっては幼少時にひどい病気を患いそれを克服した経験から身に着く場合もある

 

彼らの力は遺伝的な優位よりは没頭する精神や集中力によるものが大きい

 

だがクリエイティブで発想力のある人がいつもパワー全開な訳ではない

 

彼らはカレンダーや外部の影響によるものではなく自分自身で力をコントロールしている

 

結果的に必要な時に力を一か所に集中し、自身のタイミングで休息を取り再び充電する時間を確保する。彼らは怠けの後に来る活動的な意欲をとても大事にしていると言える

 

 

2.頭脳明晰だが一方で子供っぽい所がある

 


1921年スタンフォード大学の心理学者ルイスによる精神能力による研究結果によれば、IQが高い人が成功するという事実は概ね本当であるが、一定以上の所からはIQが現実的な成功からは、もはや関係がないということがわかった

 

後期の研究ではそのカットラインを120くらいだと提示している

 

120以下のIQではクリエイティブな作業をすることが困難かもしれないが、120以上においてはIQが高いほど、さらに発想力があって優れているという訳ではない

 

IQが高い人は規定のルールを瞬時に覚えることが出来てかつ飲み込みが速いため、既存の知識に対し質問し、疑い、改善しようとする動機を見つけることができないかもしれない

 

ゲーテが純粋さこそ天才の最大の属性と言った理由がここにある

 

情緒的だったり、精神的に未熟な人ほどむしろ、既存にはない考え方で斬新なものを生み出す傾向にある

 

 

3.責任感と無責任が共存する矛盾的な傾向を持っている

 


「私はいつもあれもこれも手を出して科学に面白さを感じます。
ふざけているわけではありませんが、そのくらい軽い気持ちでやっているということです。そうすると勝手にアイデアが浮かんできます」物理学者ジョン・ホイーラーの言葉である

 

しかしこういった、遊び心と諦めない心、忍耐、執着する傾向がなければ長くは続かない

 

新しいアイデアを完成させ障害物を乗り越えるためにはたくさんの努力が必要である

 

物理学者ハンスは物理学の問題を解決する要因を問われる質問にこう答える

 

「二つ必要です、一つは頭脳で二つは何の意味もない結果に莫大な時間を費やすことが出来るかどうかの覚悟です

 

 

4.想像と現実を行き来する

 


想像や現実すべて過去との繋がりを失わず現実から離脱することが必要である

 

アインシュタインは、芸術と科学は人間が作った現実から逃避するのに一番適していると言ったことがある

 

芸術と科学の共通点は私たちが現実的だと考えるものを超えて、新しい現実を創造するほかにならない

 

しかし、こういった逃避は非現実的な童話の世界に入るものではない

 

新しいアイデアを創造に繋げる時最初は戸惑うかもしれない、しかしいざ時間が経ってみると創造は事実となっているのである

 

現実的な銀行家を例にあげると、私たちは彼らが平凡で常識的な考えを持っていると考えるが、ジョン・S・リードのような金融界の指導者は現実とは相対的で絶えず変化するので未来を新しい視点で見ることが必要だと力説した

 

 

5.外向的かつ内向的だ

 


彼らは自身の考えを書いたり絵を描いたり、あるいは実験室で研究するために一人で過ごす時間が多い

 

若い人材を観察した結果、青年期において一人でいることに耐えることが出来なければ、自身の才能もまた開発されないという事実が明らかになった

 

楽器演奏や数学の勉強は人々が恐れる孤独を要する

 

つまり、一人でいることが出来る子供だけが何らかの分野において突出した結果をもたらすことが出来るというのである

 

しかしクリエイティブな人物もまた人々と触れ合うことが必要である

 

 

他の人の話を聞き、考えをお互い交換し、自身の作品だけでなくそうでないものを理解することで新たな発見につなげることが出来るからである

 

物理学者ダイソンは事務室の扉を指さし、これを象徴的に表現する

 

「科学は共同作業です。この扉を開いておくことと閉じておくことには本質的に違いがあります」

 

私は科学実験をする時、必ず扉を開けています」科学だけでなく一番パーソナルな領域として知られる芸術でさえ社会性は必要だ

 

殻に閉じこもり誰にも作品を見せない訳にはいかないからである

 

 

6.クリエイティブな人はとても謙遜だが、プライドは高い

 


傲慢だと思っていた有名人が意外と恥ずかしがり屋で謙虚だということは少なくないが、これには理由がある

 

一つ目は自身の為した業績にある程度運が作用したことを知っているからである

 

二つ目は普段彼らは未来の計画や現実に直面した挑戦に集中しているため、過去の業績は既に過去のものとして頭の片隅に追いやられているためだ

 

カナダの芸術家マイケル・スノウは不屈の実験精神で数々の成功を収めることが出来た理由を漠然とした不安のおかげだと言う

 

過去を振り返らずあくまで未来だけを考えているのである

 

同時に彼らはどんなに謙虚だと言っても、自身の力で何かを為し遂げたという揺るがない自信とプライドを持っている

 

「発明する時に必要なものを私は存在証明と呼びます。それは成功出来ると言う自信を表す言葉です」発明家ジェイコブ・ラビナウの言葉である

 

 

7.典型的な性から離れていることが多い

 


若者に自身が男性的か女性的かというテストをした結果、クリエイティブな才能を持つ少女は他の少女より少し支配的で、同じく少年たちもそうでない少年に比べ繊細である傾向を示した

 

彼らは普通の人より、二倍近く世界に反応しているため多様な気づきを得ることが出来るのである

 

 

8.クリエイティブな人は改革派であると同時に保守性も兼ね備えている

 


クリエイティブな才能を発揮するためには、まずどこかの文化を身につけなければならない

 

一つの文化のルールを学ぶためにはその文化の核となる重要性を認識するので、ある程度伝統主義者になる必要がある

 

しかしだからといって伝統に従ってばかりいても、文化を改善することは出来ない。つまりどんな学問に対しても過去の事象を反芻し、改善していくことが出来なければ、新しさを追求することも出来ない

 

クリエイティブな人はその中間部分、おいしい所だけを上手く抽出し新しい文化を生み出すことに長けている

 

 

9.仕事に対し情熱的でかつ客観的だ

 

 

執着と断念から来る葛藤の力は彼らの仕事において大事な役割を果たす

 

情熱がなければどんなに適した仕事であってもすぐに興味を失ってしまうだろう

 

クリエイティブな人が持ち前のクリエイティブさを発揮するには狂気が必要だ、彼らはその狂気を客観的に分析し失敗した時に次に活かす事が出来る

 

 

10.開放的、繊細的な傾向により楽しさだけでなく苦痛を感じることも

 


感受性が強い人は他の人よりも侮辱感や不安感を感じやすい

 

発明家たちはすぐ悩む傾向にあるという

 

「すべてのあらゆるものが私に嫌がらせをしているかのようです」

 

ほとんどの人がラビナウのこの発言に共感するはずだ

 

先駆的な分野で一人立っている人もまた不安で傷つきやすい

 

有名だからというだけで周りからは批判や心ない罵声が飛び交う

 

芸術家が何年もかけて作った作品や科学者が数十年をかけ樹立した理論を誰も見てくれないとなると、彼らはひどく落ち込んでしまうだろう

 

 

おそらく、クリエイティブな人が一番耐え難いのは様々な理由によって成功出来なかった時に経験する喪失感や虚無感かもしれない

 

特に自分の中の斬新さが見る見る内になくなっていくのを感じる時は苦しみさえ感じることもあるそうだ

 

すべてのクリエイティブな人が最も一般的に持っている重要な傾向は創造過程を楽しむ能力かもしれない

 

こういった能力がなければ詩人は理想を追求することをやめ、商業的な詩を作り、経済学の教授は大学の代わりに銀行で働き、物理学者は基礎学問を学ぶ代わりにある企業に就職するだろう

 

 

最後に

 

「追求するアイデアに出会えば、平穏や満足感を感じます。またそういったアイデアで最善を尽くしたときや完成した時もまた同じ感情を味わうことが出来ます。おそらくその日一日は気分よく過ごせるでしょう。もう再び覗かなくてもいいと感じながら夜にワインを一杯飲みます。しかしこういった空白の時間が一日でなく、数週間、数か月、数年と続きます。
空白の時間が長くなれば長くなるほど、人生は辛くなり、苦痛を伴うようになります。
苦痛を感じるという表現では言い表せないものがあります。そうしていると勿論、作家としての存在意義も危うくなります。作家が書かずして、私は何なのかという考えに行きつくのです」
マーク・ストランド(アメリカ合衆国の詩人)