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太宰治はINFPだった!?INFPが太宰の作品に惹かれる理由&INFPにオススメの小説もご紹介

2020年8月10日

 

最初に

本日はなぜINFPは太宰治の作品を好んで読むのかについて話したいと思います。

 

 

なぜ太宰治なのか

日本の近代文学の小説家はたくさんいます。それこそ森鴎外、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、江戸川乱歩など。
しかしなぜこれほど多くの小説家の中でも唯一太宰治だけが多くの信者を抱えているのでしょうか

 

その理由はズバリ類は友を呼ぶからです。太宰治はINFPである可能性が極めて高いです。
彼はINFPの良い所悪い所をすべて持ち合わせ、INFPの度合いを1から10で表すとすれば、9や10に値するような強いINFP気質を持っています

 

INFP気質とは何か、強すぎるとどうなるか

まず感受性が鋭すぎて日常生活を営む上で支障をきたします。神経質とも言えます

 

頭が良いため、はるか先のことまで考えることが出来ます。それゆえ頭が複雑になり、かつ考えた末に行きつく結論が大体ネガティブのようなものであるため落ち込むことも多いです

 

基本考え方がネガティブだとも言えます

 

人と対立するくらいなら、自分を犠牲にして場を丸く収めようとします。一言で言うと内向的なオタクと言います。自分の殻にこもり、ひたすら考えを巡らせる、変態のようなやつです

 

INFPの度合いが強くなればなるほど比例し自己反芻も強くなり、太宰治もその中の一人でした

 

太宰治が強く憧れていた芥川龍之介もINFPだと推定され、INFPがINFPに共感し憧れを抱くという構図は実は今でも続いています

 

太宰治に憧れた小説家・又吉

私が考える太宰治本家の憧れ構図はこのようなものになっております。三人ともINFPだと推定されます。INFPは文学に惹かれやすいのでしょうか

 

芥川龍之介(自死)
↑憧れる
太宰治(自死)
↑憧れる
 又吉

 

というものです。何が言いたいかと言うとINFPはINFPに強く惹かれやすいということです

 

しかしINFPとおぼしき人物ほとんど自分で命を絶っています。INFPは希死念慮が強いのでしょうか・・・

 

又吉さんは芸人の傍ら小説家としても大変活躍されています

 

「東京百景」
振り返れば大切だったと思える、「ドブの底を這うような」青春の日々の記憶

死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までの
フリなのだと信じるようにしている。のどが渇いてる時の方が、水は美味い。
忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬だとしても、
誰よりも重みのある幸福を感受できると信じている。
その瞬間が来るのは明日かもしれないし、死ぬ間際かもしれない。
その瞬間を逃さないために生きようと思う(九十九「昔のノート」より)

芥川賞受賞作『火花』、4月公開の話題の映画の原作小説『劇場』の
元となるエピソードを含む100篇のエッセイからなる又吉文学の原点的作品

-引用Amazonにて

 

「火花」
売れない芸人の徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人である神谷と電撃的に出会い、「弟子にして下さい」と申し出た。神谷は天才肌でまた人間味が豊かな人物。「いいよ」という答えの条件は「俺の伝記を書く」こと。神谷も徳永に心を開き、2人は頻繁に会って、神谷は徳永に笑いの哲学を伝授しようとする。吉祥寺の街を歩きまわる2人はさまざまな人間と触れ合うのだったが、やがて2人の歩む道は異なっていく。徳永は少しずつ売れていき、神谷は少しずつ損なわれていくのだった。お笑いの世界の周辺で生きる女性たちや、芸人の世界の厳しさも描きながら、驚くべきストーリー展開を見せる。笑いとは何か、人間の本質とは何か

-引用Amazonにて

 

 

「劇場」
高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった──。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。

-引用Amazonにて

 

太宰治は元々ENFPだった(?)

太宰治の幼少期を見てみると、意外と明るいんです。彼の自叙伝とも言われる「人間失格」では幼いころ友達の前でわざとバカなフリして周りを笑わせるというものがあります。また基本的に人を楽しませるのが好きだったとも書いてあります。一言で言えば、陽気だったんですね。

 

しかしながらENFPが社会に絶望してINFPになるケースも多く、太宰も思春期に経験した何かの出来事から社会に絶望しINFPになったと思われます

 

実は結構INFPの中では子供の頃はどっちかというと外向的だったという方も少なくないんです

 

なぜこれほど太宰に熱狂するのか

INFPは幼少時から自分が他の人とは良い意味でも悪い意味でも何か違うといった違和感を持っていました

 

なぜ他の人はこういうことが平気で出来るんだろうと本気で思っているのです(何気なくお喋りをして何気なく笑い合うと言ったような普通の事)

 

そのため、周りに溶け込もうと太宰はいわゆる道化をするわけです。太宰はサービス精神に溢れていたらしく、ネガティブな思考ながらも周りを楽しませようとする所がありました

 

自分の身を削ってまで必死に周りに溶け込もうとする太宰の姿が社会に頑張って溶け込もうとする自分と重なり、INFPは強く共感し太宰教に入信することになります

 

太宰治に熱狂するのは一時的?

しかし多くの人は太宰教に入って何年かすると、太宰教から離脱する場合が多いです

 

なぜかと言うと社会生活を営む上でこれだけネガティブに物事を四六時中考えていたら、身が持たないことを知りプラス思考に乗り移っていくからです

 

太宰治が書いている小説の感情は思春期には誰もが一度は経験するセンシティブなものであり、他の小説家にはない繊細な感受性から来る特有の文章は、世の中をこういう風に感じているのは自分だけじゃないんだと思わせる不思議な力があります(普段言語化出来ない些細な感情を正に文章に書いているんです)

 

太宰治の代表作に「人間失格」がありますが、個人的には「女生徒」という作品の方が太宰治の良さが出ているのではないかなと思います。

 

 

太宰治のおすすめの作品

私はほとんどの太宰治の作品を読破していますが、中でも一番傑作だなと思った小説をご紹介します

走れメロス

人の良心とは何なのか?感性寄りの小説が多い太宰治の傑作のストーリー小説だと思います。
昔塾で読んですごい面白かったことを覚えています
kindleでは無料公開されています

斜陽

すごいの一言です。名作です。結構長いですけど、最後の結末は鳥肌が立ったのを覚えています。
黒歴史ですが斜陽を真似した小説を昔一度書いたことがあります。それくらいインパクトの強い作品です。

女生徒

主人公が女の子なんですが、書いている人はおっさんです。
しかしおっさんでも年頃の女の子の心情描写が上手すぎて、本当に太宰って天才だなーと思った作品です。
個人的には太宰っぽさが一番あって好きな作品です。

皮膚と心

昔読んで内容はうる覚えなんですが、一人の皮膚のトラブルに見舞われた女性とその旦那を描いた作品です。
ほっこりする内容となっております。

 

太宰治はなぜ自殺したのか

INFPはわがままということを以前の記事で書いたことがありますが、彼もまた非常にわがままでした。彼の自殺をわがままで片づけたら太宰ファンに叩かれそうですが、私の言うわがままはあくまでも、自分の信念に妥協したくないという意味でのわがままです。

 

世のなかに妥協してまで生きていたくないと思ったのではないでしょうか

 

妥協したくないけど、妥協することを強制される社会に絶望したり、勿論真実は太宰治本人にしかわからないと思いますが、最後に書いた小説が人間失格という所を見れば生きる気力がなくなった所が垣間見え、かつ小説を書くことが嫌になったという発言から小説を書くためのインスピレーションが枯渇したことへの絶望感など、憶測ではありますがこのようなものではないでしょうか

 

 

最後に

実は私が書いた小説があります

 

掌編小説1編+短編小説2編からなる計3本の短編集です。
どの話もサクッと読めますので、気軽に小説を読みたい方におすすめです

すれちがい
スーパーで出会った二人の男性のとんち話

ブンスカ
倉之助は一家の父であり息子八之助を愛する子煩悩な父親。そして倉之助は息子の才能にいち早く気づき息子の学費を稼ぐために毎日山奥へハチミツを取りに行くが、その矢先一つの奇妙な出来事に遭遇するようになる。果たして無事に家に帰ることが出来るのか?

ガタン・ゴトン
小学校5年生の孝之助は友達、昭八のことで思い悩んでいた。好きだけど離れたい。この矛盾した気持ちはどんどん、孝之助を追い詰めていく。社会的な弱者とは何だろうか?いい子でいられない事を悟った時の少年はどうなってしまうのか。二人の少年の友情物語

 

kindleにて販売していますので、気になる方はこちら↓

 

 

 

「ブンスカ」試し読み版↓

昔々、ある山奥で三人の家族が暮らしていました。
「父上、明日も朝早くから山奥に向かわれるのですか?僕もついていきます」
「八之助、お前は何も気にしなくていいんだぞ、勉強だけ頑張っとればそれでいい」
「はい…ですが父上、私は勉強が得意ではありますが好きではありません。私も父上と一緒に山奥へ行って新鮮なハチミツを取りたいのです」
「何を言っとるんだ。お前は俺たちと違って頭がいいんだ。宝の持ち腐れだぞ八之助」
「ですが父上…」
「うるさい、お前は勉強だけやっとればいい。そのために俺は毎日頑張っとるんだ」
「そうよ、八之助。八之助はせっかく頭がいいんだからね」
「わかりました…父上。どうか山奥ではお気を付けくださいませ。私は残りの本を読んでもう寝るとします」
「そうだな、勉強頑張れよ。後もう十年もこの仕事をやっとるんだ。蛇や蜂は友達みないなもんだよ。ガハハ」
仲良く毎日三人で食卓を囲む日々に父、倉之助は大変喜びを感じていました。しかしそんな倉之助にも一つ悩みがありました。
息子の八之助が自分の部屋に戻っていった後、倉之助は酔った勢いで長年思っていたことをポツリと話し始めました。
「わしはこの仕事を好きでやっとるが息子には絶対継がせたくねぇ」
「…なぜです?」
「危険だからだ。山奥には蜂は勿論危険な毒蛇、熊だっている」
「知っております。しかしハチミツ取りは代々受け継がれてきた家業なのですよ?」
「知ったこっちゃねぇ、わしは運がよくて今までやって来れたが、いつ死んでもおかしくねぇ。こんな仕事息子の八之助に継がせるわけにはいかねぇ。増してや八之助は天才なんだ。才能を伸ばすのもまた親の務めだぞ」
「八之助は勉強があまり好きではないようですし、わたしは出来れば八之助に家業を継いでほしいのですが…」
「馬鹿を言うな。俺の遺言は何だ?言ってみろ」
「息子を高等学校に行かせること…でしょ?」
「よくわかってるじゃねぇか」
「お父さん、今日は少しばかり飲みすぎじゃあありませんの?もう眠った方がよさそうですよ」
「そうだなぁ、明日も早いし今日はもう寝る。八之助の学費まであと少しなんだ、俺は頑張るぞ」

*

次の日、倉之助が山奥へハチミツを取りに行くと晴天の空が急に曇り始め、土砂降りの雨が降り始めました。
「チッ、せっかくここまで来たのに雨が降るとはついてねぇ、どうせ通り雨だろう、先を急ぐか」
倉之助は土砂降りの雨にも負けず前へ前へ、ハチミツが見つかりそうな場所を目指し進んで行きました。
ですが生憎雨はさらに強くなり、ついに雷まで落ち始めました。
――ゴゴゴゴゴゴッ
「こりゃあ―さすがに無理だ。今日は仕方ねぇ、引き返すか」
雨でびしょ濡れになった倉之助は家に戻ることにしました。引き返そうとしたその瞬間、なんと倉之助の目に今まで見たことのない大きなハチの巣が目に入りました。
「はっ!?何だこれは!こんな大きなハチの巣、今まで見た事ねぇ!」
そしてすぐに倉之助は木を登り始めました。いつもなら安全対策として葉っぱを燃やし、煙を炊いてハチが近づかないよう工夫するのですが、本日は生憎の雨です。
「あれさえ取れれば、八之助の学費は保証されたも当然だ!あきらめてたまるか…!」
倉之助は雨で滑る木をなんとか必死に登り詰め、巨大なハチの巣の目の前まで来ることが出来ました。
「こんな綺麗なハチミツは初めてだ…」
倉之助は大きくて綺麗なハチの巣を目の前に思わず見惚れてしまいました。ハチの巣にありったけの手を伸ばした途端、中から大量のハチが出てきました。ハチはブンブンと大きな音を立てながら倉之助の頭の周りをグルグルと回り始めました。
「あっちいけっ!これさえ取れれば…!これさえ取れれば…!!」